田村由美 「龍三郎シリーズ」

こんにちはぷくぷくです。
田村由美先生といえば『BASARA』『7SEEDS』などが有名ですが、隠れた?名作であるこの「龍三郎シリーズ」はご存じでしょうか?

主人公の龍三郎は10歳の小学生。家庭環境のせいでちょっと大人びた性格の龍三郎が、いつも事件や不思議な体験に巻き込まれていく(飛び込んでいく?)お話。

ぷくぷくが小学生のころに読んでとても好きだった作品です。
じつは最近読み直す機会があって子供のころに読んだときと、大人になった今読んでみたのでは面白く感じたポイントが違うことに気づきました。
kindle版が出ていたことも一緒に知ったので、
読んだことのない人にも紹介しやすいなと思ったんです。

子供時代と大人の今でどんなところが違ったのかをお伝えしながら、
子供にも大人にもオススメしていこうと思います。

基本情報
  • 出版社 小学館
  • 単行本 FC(フラワーコミックス)
    • 『ボクが泥棒になった理由ワケ』/初版 1991年
    • 『ボクが天使を産んだ理由』/初版 1992年
    • 『ボクがボクを忘れた理由』/初版 1993年
    • 『ボクがサンタに会った理由』/初版 1994年
    • 『ボクがゴミを捨てた理由』/初版 1995年
    • 『ボクがCDになった理由』/初版 1997年
    • 『ボクが十番勝負する理由』/初版 2001年
  • 小学館文庫版
    • 『ボクが泥棒になった理由』1~4巻
    • 『ボクが十番勝負する理由』
  • kindle版有り
こんな人にオススメ
  • 小学校 高学年~中学生にオススメ
    • 苦労人の小学生、龍三郎が主人公
    • 気持ちのやりとりが印象的
  • 小、中学生の親になった人たちオススメ
    • 大人の視点で読めた!

小学校 高学年~中学生にオススメ

最初にこの「龍三郎シリーズ」をオススメしたい人は小学生から中学生の子供たちです。
というのもぷくぷくが最初に「龍三郎シリーズ」を読んでハマったのが小学校5年生のときだったからです。

ぷくぷくが小学校のときに「龍三郎シリーズ」のどんなところがおもしろく感じたのか、ちょっと説明していきますね。

苦労人の小学生、龍三郎が主人公

なんといっても「龍三郎シリーズ」のおもしろさは、主人公の龍三郎が魅力的ということです。

主人公の龍三郎は10歳の小学生。
パパはおらずママと2人でくらしています。
このママはお嬢様育ちで元女優。
派手好き意地っ張り、お金づかいが荒くて家のことはほとんどしません。
そんなママの面倒は龍三郎がみているという苦労人です。

そんな家庭環境のせいで10歳のくせに妙にしっかりしていてちょっと子供らしくない性格の龍三郎。
「いちいち親をフォローしてやんなきゃいけないなんて」
こんなことも言うくらいの大人っぷり。
でもやっぱりまだまだ子供な部分もいっぱいあってどこかあぶなっかしくてドキドキします。

そんな龍三郎が毎回いろんなお話で活躍をします。
舞台はさまざまで、夜の学校にスポーツ大会、スキー場での恋心もあれば、ファンタジーの世界が舞台なんてお話もあります。

そして毎回おこるトラブルに龍三郎はまわりの友達や大人の力も借りてなんとか解決していきます。
そのハラハラする展開もおもしろくてだんだんハマっていくのですが、
なにより心を動かされるのが龍三郎とまわりの人たちとのやりとりです。

気持ちのやりとりが印象的

話の中で龍三郎はいろいろな人たちと知り合っていきます。
刑事にアイドル、サンタ、忍者、スポーツインストラクターなんて人たちもいます。
年齢も大人に子供、お年寄りもでてきます。

そんな年も仕事も自分とはぜんぜん違う人と何かをしたり、トラブルを解決をしようとするのは大変です。

龍三郎やまわりの人たちはどうやって問題を解決しようとするのかというと、
自分の気持ちを自分の言葉で伝えて解決しようとするのです。

他人に気持ちをちゃんと伝えるって、
当たり前のことなんですが現実ではこれがなかなか難しいですよね。
龍三郎たちも伝え方を間違えたり、うまく伝わらなかったり
誰もが経験するような、人間関係で悩むこともあります。
それでもその機会があればやっぱりちゃんと伝えようとするのです。

この自分の気持ちを伝えるやりとりの場面は「龍三郎シリーズ」の一番の見どころです。
これは説明するより読んでもらうのが一番いいので詳しくは書きませんが、
ぷくぷくはこの「龍三郎シリーズ」の読後に優しい気持ちになる感じがすごく好きで、
ぜひ読んだことのなに人にもこの感覚を味わってほしいです。
いろいろなお話がありますのでぜひあなたの好きな名シーンを見つけてください。

次は子供の親になった人へおすすめしたい理由を書いていきます。

小、中学生の親になった人へオススメ

次に読んでほしいと思うのが、子供を持つ親世代の人たちです。
この作品つい最近読み直す機会があったのですが、
そのときに感じたことがこの
「親世代に読んでほしいなぁ」
ということでした。
なぜかということを説明していきたいと思います。

大人の視点で読めた!

ぷくぷくが「龍三郎シリーズ」を最初に読んだのが小学校の5年生の頃でした。
当時は自分が子供だったので主人公の龍三郎(10歳の小学生)目線でこの作品を読んでいました。
しかし大人になって読み直すとまた違う視点で読んでいることに気づいたんです。

ではどんな視点かというと、
「龍三郎をとりまく大人の視点」です。

子供のころに親に言われていやだったことって何かありませんか?
「マンガばっかり読んでないで勉強もちゃんとしなさい。」
どこにでもありそうなセリフですよね…。

子供にはいやな言葉でも親からすればちゃんと言う理由がありますよね。
わかります…。ぷくぷくも親ですからすごく良くわかります。

大人になってから「龍三郎シリーズ」を読むと、
この「わかります…。」がすごく出てくるんですよね。
キツい言い方に聞こえるけどこれってこの子のことを考えてるんじゃないのかな…。
こんな場面が多々でてくるんです。

言葉が足りないといえばそれまでなのですが、
なかなか素直に言えなかったり、ちょっと意地を張っちゃったり、
そこも含めて「わかります…。」なんですよね。
なんだか自分の子供を見守るようなそんな気持ちになりながら読んでいる自分がいました。

大人になり、社会人になり、子供を持つ親になった今あらためて読むことで、
当時は気づけなかった大人キャラクターの気持ちに共感できるようになったということでしょうか。

当時とはまた違った読後感なのですが、
不思議と優しい気持ちになる感じは共通するところでした。
まだ読んだ事のない人にはぜひ読んでほしいマンガです。

最後に

どうだったでしょうか。
子供と大人それぞれの立場でちょっと面白ポイントが変わる作品なのですが、
子供の人なら同じくらいの年の子の冒険を、
大人の人なら子供の成長を見守るような気持ちで、
それぞれの楽しみ方ができるかと思います。
どちらの立場だったとしても楽しく読めて優しい気持ちになれる読後感は間違いないと思います。

田村由美作品は『BASARA』『7SEEDS』だけでなく、
少し雰囲気の違う「龍三郎シリーズ」もぜひ楽しんでほしいと思います。

ぷくぷくでした。

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